業界情報

中国初の独占禁止事例

发布时间:2014-3-11 11:28:16    点击次数:924

 中国初の独占禁止事例

――米ジョンソン&ジョンソンに53万元の賠償命令


米ジョンソン&ジョンソン社(下記はジョンソン社という)とその販売代理店との「中国初の垂直的独占」と言われた訴訟は、中等、高等裁判所における3年間にわたるの審理を経て、ついに判決が下された。上海市高等裁判所は8月1日に、ジョンソン社が当社の医療用縫糸製品の価格を操作したとして、販売代理店の北京鋭邦湧和科貿有限公司(下記、鋭邦公司という)に賠償金53万元の支払いを命ずる最終判決を下した。


ジョンソン社は、縫糸、吻合器など医療用機械製品の代理販売店を手がける鋭邦公司と、15年間にわたって提携関係を結んでおり、双方の代理販売契約は年に一度更新されていた。2008年1月に更新された契約において、双方は、「鋭邦公司は、ジョンソン社が指定するエリアで、ジョンソン社傘下のエチコン事業部の縫糸関連製品を販売しなければならない。そして契約期間中に、鋭邦公司はジョンソン社の決めた最低販売価格以下の価格で製品を販売してはいけない」と取り決めていた。

しかし、鋭邦公司は同年3月に、北京大学人民病院で実施されたジョンソン社の医療用縫糸製品の販売に係る入札会において、最低価格で落札した。ジョンソン社は、当該行為に対し、鋭邦公司に警告を発したのみならず、鋭邦公司の一部病院における販売権を取り消し、最終的に製品供給を中止した。その後、ジョンソン社は2009年、鋭邦公司との代理販売契約を更新しなかった。


鋭邦公司は2010年8月、ジョンソン(上海)医療器材有限公司、ジョンソン(中国)医療器材有限公司を相手取り訴訟を提起した。これは中国の『独占禁止法』の施行以来、裁判所が審理した初の垂直的独占の民事訴訟事件となり、「中国初の垂直的独占事件」と言われるようになった。鋭邦公司は、「ジョンソン社は、競争の直接的な制限を目的として、代理販売契約の中の再販条項によって、第三者への最低価格で転売することを限定し、鋭邦公司に警告を発し、契約中止又は終止するなどの手段で、鋭邦公司が最低転売価格を維持することを脅かした。ジョンソン社のこのような行為は『独占禁止法』に規定されている最低転売価格を制限する行為になり、鋭邦公司に損害をもたらしたため、法に基づきジョンソン社に1400万元余りの損害賠償を支払うように訴訟を提起した」と表明した。


上海第一中等裁判所は2012年5月に下した一審判決で、鋭邦公司側の証拠が不十分だとして訴訟請求を棄却した。その後、鋭邦公司はその判決を不服として上海高等裁判所に上訴を提出した。上海高等裁判所は1日の審理後、本件には『独占禁止法』が適用され、ジョンソン社の代理販売店に対する再販最低価格の制限行為が独占行為にあたると判断した。裁判所は、一審判決を取り消し、ジョンソン社に当判決確定日から10日以内に、鋭邦公司へ53万元の損害賠償を支払うように命じたが、鋭邦公司のその他の請求については退けた。 
記者が8月1日にジョンソン社を取材したところ、同社は今回の判決の結果に対して、現時点ではコメントできないとして、「明日回答する」と表明した。 
■法律リンク

独占禁止法

現行の『独占禁止法』は2008年8月1日より施行されており、その中に独占行為として、事業者が独占協定を締結すること、事業者が市場支配的地位を濫用する行為及び競争を排除、制限する効果をもたらす若しくはもたらしうる事業者の集中という3種類が規定されている

垂直的独占 
垂直的独占とは、同一産業の異なる経済レベルにおける直接的な競争関係がないが売買関係がある二つ又は二つ以上の事業者が、明示又は黙示の方式で競争を排除、制限する行為のことをいう。

発布日:2013年8月5日       情報ソース:中国知識産権網